055迷惑電話

MENU HOME QUESTION 立命館大学 法学部 法学研究科 QUESTION 日本人は訴訟嫌い？ KEYWORD #法社会学 この問いに対して、「訴訟なんて、日本人でなくても好きじゃないでしょ」と思ったあなた、そのとおり。訴訟をするのが何よりも楽しい、なんて人、そうそういないでしょう。この問いに対して「アメリカ人は訴訟が好きなのでは？」と思ったあなた、訴訟が好きかどうかともかく、日本よりもかなり訴訟提起の頻度が高いことは確かなのです。とはいえ、アメリカでの研究でも、実際にはトラブルに直面しても訴訟に至るケースはごく一部という研究結果があります。 さて、訴訟というと、まずは「犯罪」「刑罰」との関わりが頭にうかぶかもしれませんが、それは刑事訴訟でして、一般の市民が自ら訴えることができるのは、「民事」訴訟です。交通事故や医療事故などをめぐって損害賠償請求を行う場合などが、民事訴訟ということになります。 そして、諸外国と比較すると、日本では、人口比やトラブル経験の数に比較すると、民事訴訟の提起の数が少ないことが分かっています。特に、訴訟提起の数が多いアメリカの日本法研究者にとっては、「なぜ日本では訴訟が少ないのか？」は長年問われてきた疑問の一つなのです。 その有力なこたえの1つが、「日本人は和を重んじ、白黒はっきりさせる訴訟が嫌いなのでは？」という、国民性や文化を理由とする考え方なのです。 でも、本当にそうなのか？というのが別の考え方です。訴訟の数が少ないのは、「嫌い」というより、「利用しづらい」という制度の問題からではないのかという考え方です。訴訟にはお金も時間もかかる、弁護士に頼むにも、知り合いの弁護士もいないし、勝訴しても賠償額は少額で費用倒れになってしまう・・などなど。要するに、制度的な欠陥があるがゆえに、訴訟が利用されないのだという説になります。 実は、この制度の問題を改善しようとして20年ほどまえに、日本でも司法制度改革が取り組まれ、法曹人口を増やそうと法科大学院が設立されたのでした。その結果、弁護士は増えましたが、訴訟提起数は想定したほど増えているわけではありません。 なぜ、司法制度改革をしても、日本では訴訟の提起が増えないのか？これが、最近は、また新しい問いになっています。そう聞くと、「やっぱり国民性の問題ね」と文化説に軍配が上がりそうですが、まだまだ制度改善の余地もありそうです。現在、民事訴訟をすべてオンラインで実施できるIT化が進められています。こうした改革が今後、訴訟提起に大きな影響を与えていく可能性もあるでしょう。 それにしても、「そんなこと考えて何になるの？」と思われたあなた、確かにそうですね。法社会学は、六法に掲載されている条文（これを本の上の法law on booksともいいます）ではなく、実際に社会に息づいている、使われている法（これを実際の法　law in action）に着目し、社会と法の関わりを考察しようという研究領域です。法学の中では、法哲学や法史学とともに、基礎法学に位置づけられます。法を学ぶ上では、六法片手にlaw on booksを学ぶとともに、それが現に使われる社会や、法が実際にどのような作用をもたらしているのかに目を向けることも重要です。立命館大学法学部では、基礎法学の科目も充実しています。法社会学は、こうした充実したカリキュラムを持つ大学の法学部だからこそ学べる学問分野ということになります。 この問題について考えるのはこの科目 法社会学 法学のことをもっと知る 立命館大学法学部 強み・特長 数字で見る法学部 進路・就職 教員紹介 立命館大学法学部の在学生や卒業生、教員のインタビューをシリーズでお届けします。 立命館大学 法学部 法学研究科 Twitter このページに関するご意見・お問い合わせは 立命館大学法学部事務室 TEL：075-465-8175 このサイトについて プライバシーポリシー © Ritsumeikan Univ. All rights reserved.