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たかちか)という方が、墨で加筆訂正したものでありまして、両者をいろいろ比べてみますと、開明的な由利公正の「五箇条の御誓文」が、いろいろ歴史的に修正されたり、結果としてどうなったかと、いろんなことが分かるということであります。 この草案ですが、その後、木戸孝允(きど こういん)が加筆した、今現在、これは国の宮内庁書陵部に所蔵しているものが一つあります。これは、木戸孝允による「五箇条の御誓文」であります。もう一つは、有栖川宮幟仁親王(ありすがわのみや たかひとしんのう)が揮毫いたしました、「五箇条の御誓文」というのがございまして、いずれも由利公正が起草したものを基に作ったものでありまして、この有栖川宮幟仁親王が揮毫したものは、これも国が持っているのですが、京都御所東山御文庫というところに所蔵されているということでありまして、木戸孝允加筆の宮内庁書陵部蔵、それから有栖川宮幟仁親王揮毫の京都御所東山御文庫蔵、こういう二つのものがありまして、これは、明治天皇が京都御所で、この有栖川宮幟仁親王揮毫のこうしたものを基に発表したものでありまして、三つあるということでありまして、そのうちの一番最初の基になったものというふうにご理解を願ったほうが良いかと思います。 草案については、新政府の国家理念をうたったものでありまして、こうしたことがどのように成立したかという過程を示す貴重な資料でございます。 入手した資料については、県立図書館、また歴史図書館などにおいて公開するとともに、特に、学校教育の中で、いろいろな意味での教材として活用することがきわめて重要だと思います。 特に、郷土の先人たちが近代日本を作った気概を、その足跡をもとに若い人たち、特に子どもたちに知って欲しいという意味があるというふうに思っているものでございます。 以上であります。 【司会】 発表事項は以上でございます。質疑に移りたいと思います。お願いします。 【記者】 今回、県が入手するに至った経緯を、少し詳しく教えてもらえますか。 【知事】 いろんな専門的なこともあるんですが、オークションにこの品物が出展されるという公開の情報がございましたので、それに参画をしたということであります。 【記者】 オークションというのは、9日とか10日、8日に行われたものですか。これについて、いつごろこういう情報を得て、落札ということに至ったのか、もうちょっと教えてください。 【知事】 オークションというのは、古書店が参画するシステムのようですので、そちらに依頼をして、購入したものです。 【教育長】 オークションは10日に行われております。8、9日は内覧会といいますか、下見といいますかでして、入札そのものは10日に行われています。 【記者】 東京で行われていたのですか。 【教育長】 そうです。 【記者】 古書店によるものということは、県が直接落札ということではないということですか。 【知事】 そうですね。そういうシステムのようです。我々は、直接そこに出て、いくらいくらと手を挙げてやるシステムではないということです。 【記者】 どこかの古書店に依頼をして入手したということですか。 【知事】 はい。 【記者】 今度のこの草稿については、これまではこういう形で公表あるいは存在というのは知られているものなんですか。例えば、レプリカが市内で展示されているという話なんですけれども。 【知事】 仁科さん詳しいですね。 【県立歴史博物館長(以下歴博館長)】 レプリカは、1970年に福井市が複製を作成し展示しています。 【記者】 それは、福井市のどちらですか。 【歴博館長】 福井市立郷土歴史博物館が所蔵しております。 【記者】 70年から公開されているのですか。 【歴博館長】 同時公開ではないと思いますけれども、常設展でその活用を図ってきたと思います。 【記者】 そのオリジナルのものが今回入手されたものということですか。 【歴博館長】 そういうことです。 【記者】 オークションが8日からあったということですけれども、いつ頃からそのオークションに参加して、買おうと思ったんですか。 【知事】 その情報を知ったからです。 【記者】 いつですか。 【知事】 いつだったか、ニュースとか新聞とかでいろいろありましたよね。 【記者】 報道で知ったのですか。 【知事】 はい。 【記者】 それでは、オークションが開かれてからですか、開かれる前ですか。 【知事】 前ですね。オークションは、その後何日か後だと思います。 【記者】 落札金額はいくらですか。 【知事】 23,888千円です。もともと、オークションというのは、たくさんの品物が出る中の一品で、そこに、2千万という基本的な底値がそれぞれ表示してあるシステムであります。 あと、夏目漱石の原稿であるとか、あらゆる地図だとか、たくさん何百点もの中の一つです。 【記者】 その金額は、知事はどう思われますか。 【知事】 こういう歴史的なものは、福井にゆかりがございますし、普通の書画のように流通性があるようなものではありませんので、一旦、先の話もそうですが、宮内庁書陵部とか、京都御所のそういうところに行きますと、もうほとんど、二度とといっていいかも知れませんが、手に入れられないものですので、県民の皆様にご理解願えれば、また、何としても教育効果の高いものだと思いますので、一定の金額であれば確保することが必要であろうと思っておりましたので、その範囲のものかなと思っております。 【記者】 知事ご自身のご指示というのは、やはり強く働いたわけですか。 【知事】 今申し上げた気持ちを、教育委員会に申し上げてやってもらったということです。 【記者】 いつ頃、先ほど答えられたかもしれませんが。 【知事】 そういう情報が公になってからですね。 【記者】 オークションの中では、今回の最高のものと考えてよろしいですか。 【知事】 もともと、目録の一番最初に出ている、最初のページに出ているものです。 【記者】 知事自身が、由利公正なり「五箇条の御誓文」なりに対する想いというのはあったのですか。 【知事】 今申し上げました。特に、郷土の先人でありますので、近代日本を作ったという、そういう気持ちをですね、こういうのを子どもたちに知って欲しいという。そして福井県民が自信を持ったり、歴史を分かって欲しいと、そういうために重要なる資料ではないかなと思っております。 【記者】 購入の財源といいますか、経費的なことをお伺いしたいのですが。 【知事】 これは、通常の予算で購入することになると思います。 なお、これは一般に公開するんですが、小・中・高校生とかお子さんは、もちろん、そのままご負担なく見ていただかなくてはいけませんが、一般のご負担をどうするかは若干あります。何かお願いしたほうがいいかなというようなことも検討しなければならないと思っております。 基本的には、県の財源で購入するということになると思います。 【記者】 補正予算を組むということですか。 【知事】 そうですね。 【記者】 既に、何か文化的なものを買う予算を組んでおられて、そこから出すのではないのか。 【知事】 手続き的なことになると。 【教育長】 通常の予算で執行いたしまして、そちらのほうで足らなければ補正予算ということになると思います。 【知事】 なお、こういうものはある程度瞬間的なもので、ちょっとタイミングを逃すといけませんから、まず、購入をしなければならないという体制というか行動をとって、あとは、一定の合理的な範囲内での行動をとって、そして、財源は全て準備しながらというのは事柄としては難しいですから、事後的に、今、私が申し上げたようなことも必要ではないかなと、そういう性格のものだろうと思っておりましたので。 あらゆることを準備してやると間に合いませんし、うまく成功できないというふうに思いましたので。 【記者】 オークションに際しては、知事は、例えばいくらまで出せるとお思いでしたか。 【知事】 それは、我々は直接ではありませんので。 【記者】 いわゆる、入手しようという意気込みというのはあったんですか。 【知事】 意気込みは、強く伝えましたので。 【記者】 どういう言葉で意気込みを伝えたのですか。 【知事】 さっき言った言葉で申し上げました。福井県にとって非常にゆかりがあって、大事なものであるからと。 【記者】 公開はいつからになりますか。 【知事】 どうなりますかね。ごらん頂くためには準備がいろいろあると思いますので。まだ、私もよく見ていないものですから。 【記者】 今後、こういう機会があれば、また買っていかれるのですか。 【知事】 いろいろそういうことは大事だと思いますし、福井県内、また県外も多少あるかもしれませんが、いろいろ皆様が、あるいは持っていらっしゃる方が、いろんな資料をお持ちになっていることがあるかも知れませんが、そういう方にも、是非、いろいろ公にしていただいたり、県にいろいろご提供していただくとか、寄託していただくとか、いろんな機運をお持ちいただくといいかなという気持ちは持っております。 【司会】 よろしいでしょうか。それではこれで記者会見を終わります。 ── 了 ── アンケート ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。 分かりやすかった 探しにくかった 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