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MENU--> コンテンツトップ 新着記事 記事一覧 京都先端科学大学サイト Fuat KUCUK 講師 今回の「先生に聞いてみた」では、トルコ出身で電気機械工学、パワーエレクトロニクス、 再生可能エネルギー変換、電気自動車がご専門の工学部機械電気システム工学科フアットクチュク講師にお話を伺いました。 スマート電気モータでSociety5.0に貢献する 日本語｜ENGLISH Q:小さな時はどんな子供だったのですか。 私はトルコで最も緑の多い場所の一つ、トラブゾン（Trabzon）の小さな村で生まれました。私の生家はとても山の多い場所にあり、そこに住むのは少し大変でした。両親がそうした困難な環境を克服する方法を教えてくれ、それが私の性格の一部になりました。私はおもちゃで遊ぶのが大好きで、両親や親戚からプレゼントされたおもちゃをもらったとき、それがどう動くのかとても気になっていたので、中で何が起こっているのかを見るために分解し始めました。私は常に動くメカニズムやモータなどに興味がありました。受け取ったおもちゃの中で、特に車やヘリコプターに興味がありました。 Q:大学では何を勉強しましたか。 大学に入る前からエンジニアになりたいと思っていましたが、自分の専門分野についてははっきりと決めていませんでした。トルコには日本のような全国レベルの大学共通入試はありましたが、大学ごとの入試はありませんでした。そのため、受験者は希望する専攻/大学を複数選択し、試験の成績に応じて政府のセンターが合格者を各大学に割り当てていきました。私は電気工学部を卒業しました、そこでモータやアクチュエータなどの電気機械エネルギー変換システムとそのパワー電子駆動回路を研究しました。 私の地元のイスタンブール工科大学は、トルコの名門大学の一つで、工学分野に強い大学です。そこでの研究環境は、私に優れた電気技術者になり、産業界に貢献するという動機を与えてくれました。 Q:なぜ日本に来ようと思ったのですか。 私は博士号を取るために2005年に初めて日本に来ました。日本に来た動機はたくさんありました。最も大きな要因は日本の技術開発環境でした。さらに、トルコには、トヨタ、いすゞ、鹿島など、日本企業の投資も多く、いつも私は日本企業はどのように良い工業製品を生み出していくのか、日本人はどうやって世界中に想像力を広げていくのか、不思議に思っていました。 特に新幹線はその良い例でした。日本では長い間新幹線が（高速で）走っていますが、トルコでの電車の最高速度は時速100キロ未満でした。高速列車の仕組みがとても気になりました。私のもう一つの動機はハイブリッド自動車でした。その当時でも、トヨタは燃焼エンジンと電気モータの技術を非常に効果的に組み合わせて自動車を生産していて、この大成功は世界中から高く評価されていましたし、私もそうでした。 それから、日本に来ることを決めた一番面白い理由は、私が日本のサムライ映画に多くの影響を受けたからです。一番好きなのは 「ラストサムライ」 で、日本語が全く分からなくても、日本語の単語を覚えるまで何度か見ました。ご存じのように、トルコはヨーロッパの国々と歴史的に深い関係があります。そのため、アメリカ文化お含め西洋文化はトルコではよく知られていました。でも、日本の文化はトルコではほとんど知られていませんでした。これも日本に興味を持つ理由の一つだったのです。私は日本語を全く知りませんでしたが、以前日本に住んでいた友人の提案に従い、工学分野がとても強く、研究室も充実している東北大学に行くことにしました。 初めて成田空港に着いたとき、文化の違いにとても驚きました。当時、私が知っていた日本語は 「こんにちは」 と 「さよなら」 だけでした。日本語を全く読めず、書けず、話すこともできませんでした。それ以来、日本の文化を吸収しようと努力し、あるレベルを超えたと感じると、日本での生活がとても楽になりました。 Q:どのような研究をされたのですか。 私は大学3年生の時からモータとモータ駆動技術の研究を選びました。当時、最初の実用のハイブリッド電気自動車が登場しましたが、それはトヨタによって提供されました。これはとても成功した技術で私はとても惹かれました。そして自動車やバスなどの輸送用車両や一部の航空機は、最終的には電気モータだけで動くだろうということが予測出来ました。そして私は近い将来この技術に関わりたいと思っていました 私は、長い間スイッチ・リラクタンス・モータ (SRM) について研究してきました。これは非常に安価なモータですが、現在の永久磁石式EVモータに比べて出力密度は少し小さいものです。EV用永久磁石モータの最大の課題は、ネオジウムのような少し高価な材料を使った永久磁石を使用することであり、そのネオジウムの供給は中国に大きく依存しています。 SRMの問題点は出力密度が低いということです。そこで、出力密度を増加させるため、SRM内で永久磁石をいくつか共用することがあります。一方、コストは引き続き低く抑える必要があるので、より安価な磁石を使わなければなりません。ネオジウム磁石に代わる磁石を使ってSRMの出力密度を高める研究をしています。一方、可変磁石技術を適用して磁石の磁化レベルを制御することを研究しています。例えば、EVで山を登るときは、スピードが遅いので高パワーと高トルクが必要です。この場合磁石を完全に磁化することで対応できます。でも、平坦な道をまっすぐ行く場合には、磁化のレベルを下げる必要があります。これは、同じ磁化レベルで速度を上げると、これらの磁石がモータの性能を妨げ始めるためです。次に下山する場合には、運動エネルギーを熱として失わないよう、発電して取り込むことが必要になるかもしれません。そのため、磁石を再び完全に磁化し、ダイナミックブレーキシステムを使用することで、モータ発電機として動作し、電気を発生させることができます。永久磁石を使ったアシストSRMまたは可変磁石SRMと呼ばれるモータで、これらの機能をすべて実現することができます。道路状況に応じて磁化レベルを変化させ、モータ性能を向上させることができるのです。 ご存じのように、世界の発電量の60%が化石燃料によるものなので、大気汚染とCO 2排出で苦しんでいます。手遅れになる前に、発電における再生可能エネルギーの役割を拡大する必要があります。風力エネルギー変換システム用の低コスト発電機の開発にも興味があります。 Q:どのように社会に貢献したいと思いますか。 日本に滞在して本学で長く働きたいです。私は新しい技術を開発するために多くのプロジェクトに関わりたいと思います。間違いなく、「スマート電気モータ」 を使った輸送車両が主要な移動手段として使用されるでしょう。可変磁石技術は間違いなくこのトレンドに寄与するでしょう。本学工学部のスローガン である「Be a street smart engineer」 のように、私たちも将来は同じスローガンをモータにも使います。新しい未来技術のために、スマートな電気モータを作りましょう。スマートモータ技術は、電気自動車の効率と航続距離を向上させるでしょう。これらのモータは道路状況に応じてその性能を変え、現行の永久磁石モータ技術の欠点を克服するものです。もちろん、すでにエアコン、ロボット、電気自動車など、日常生活で電気モータが多く使用されています。それでも、新しいモータ技術の開発にはやるべきことがたくさんあります。例えば、旅客用ドローンの時代が始まろうとしています。旅客用ドローンのモータ設計は私の目標の一つです。これらのモータは、ドローンの負荷容量を増やすために、非常に強力で軽量である必要があります。輸送システムにおける電動乗りものの役割を増すことは、環境問題を確実に解決するでしょう。 Q:本学の学生へのアドバイスをお願いします。 学生と一緒にモータ技術について話し合うのはとても楽しみなことです。トルコの大学時代、初めてハイブリッド自動車のニュースを読んだとき、次に何が来るのかワクワクしました。学生にとって一番大切なことはやる気で、それがあれば夢を実現できると思います。多くのことを知ることは確かに意味がありますが、すべてを詳しく知る必要はありません。特定の目標に集中して、その分野のスキルを磨くだけです。モチベーションの高いチームで働いていれば、私たちの能力を組み合わせて有意義な仕事をすることができるので、時間を有効に使うことが出来ます。私たちは、多くの異なる分野について知っていたレオナルド・ダ・ビンチの時代に生きていていつのではありません。私たちは今、知識の海に囲まれ、どの情報が私たちにとって有益なのかを見つけたり発見したりする必要があります。私は学生たちに、より良い未来を構築するために、一緒にその情報を探すよう勧めています。 Q:あなたは休日をどのように過ごしますか。 現在、家族と一緒に住んでいて、子供が2人います。7歳と9歳で、日本の小学校に通っています。週末は彼らのために時間を割くようにしています。彼らとサイクリングしたり、近所の公園でサッカーをするのが私のお気に入りです。 新型コロナウイルスの影響で混雑した場所への移動は避けております。買い物と家族とのサイクリングを除けば、私たちは家にいる方が好きです。家には広い庭があるので、そこでリフレッシュしています。最近の一番の楽しみはガーデニングで、新鮮な野菜を育てることです。 Professor Fuat KUCUK In this edition of &＃8220;Tell Us Teacher,&＃8221; we interviewed Dr. Fuat Kucuk, a lecturer from Turkey who specializes in electromechanical engineering, power electronics, renewable energy conversion, and electric vehicles in the Department of Mechanical and Electrical Systems Engineering in the KUAS Faculty of Engineering.    Contributing to Society 5.0 with Smart Electric Motors  Q:What kind of child were you? I was born in a small village in Trabzon city, one of the greenest places in Turkey. My birthplace is in a very mountainous area and living in such a place was a little difficult sometimes. My parents taught me how to overcome those difficulties, and that eventually became a part of my character. I liked playing with my toys very much, and when I received a toy from my parents or relatives, I was always very curious about how it moved, and then started to disassemble it to see what was going on inside. I was always interested in moving mechanisms, motors, and so on. Among the toys I received, I was interested in cars and helicopters the most. Q:What did you study at university? Before entering university, I knew that I wanted to become an engineer, but I did not make a solid decision on my field of specialization. In Tukey, we have a national university exam like in Japan. However, the universities themselves do not have entrance exams. So, the candidates wrote in their preferred majors and universities, and the government would place you in one of your choices according to your score on the exam. In the end, I graduated from the major of Electrical Engineering. I studied electromechanical energy conversion systems such as motors and actuators and their power electronic drive circuits. My hometown university, Istanbul Technical University, is one of the prestigious universities in Turkey and is very strong in the field of engineering. And research environment there motivated me to become a good electrical engineer and contribute to the industry. Q:Why did you decide to come to Japan? I came to Japan in 2005 for the first time for my Ph.D. I had many motivations to come to Japan. The most important thing was the technological developments in Japan. Additionally, there were many Japanese company investments in Turkey such as Toyota, Isuzu, Kajima, and so on. And I always wondered how Japanese companies could produce really good technological products and how Japanese people displayed such ingenuity all over the world. In particular, the shinkansen was a good example. Although the shinkansen had been in operation for a long time in Japan, the maximum train speed in Turkey was less than 100 kilometers per hour. I was very curious about the mechanisms behind these high-speed trains. Another motivation for me was hybrid electric vehicles. At that time, Toyota was producing vehicles with a very effective combination of combustion engine and electric motor technology, and this great success was appreciated all over the world, including me. The funniest reason for my coming to Japan was the influence of Japanese Samurai movies. My favorite one is “The Last Samurai”, and I watched it several times until I had memorized all the words, even though I did not know Japanese at all at the time. As you know, Turkey has a strong historical relationship with European countries, so western culture, including American culture, is well-known in Turkey. However, Japanese culture is little known to us. This was another reason to become curious about Japan. Though I did not know the Japanese language at all, I followed the suggestions of my friend who used to live in Japan, and I decided to go to Tohoku University as they are very strong in the field of engineering and have advanced laboratories.  When I first arrived at Narita Airport, I was so surprised by the cultural difference. Furthermore, the only Japanese words that I knew were “konnichiwa” and “sayonara”. I couldn’t read, write nor speak Japanese at all. Since then, I have tried to absorb Japanese culture, and once I got beyond a certain threshold, it became very easy for me to live in Japan. Q:What have you been researching? I have focused on the study of motor and motor drive technology since my third year in university. At that time, the first commercial hybrid electric vehicles appeared, which were produced by Toyota. This technology was very successful, and a great inspiration for me. I could guess that that ground vehicles like automobiles and buses, and even some air vehicles, would eventually be powered entirely by electricity. I knew that the future would come soon and that I wanted to be involved in this technology. I have been researching Switch Reluctance Motors (“SRM”) for a long time. These are very cheap motors, but with a power density that is a little lower than current permanent magnet EV motors. The main problem with permanent magnet EV motors is that they require permanent magnets made out of materials such as neodymium. Neodymium is a little expensive and the supply of neodymium is highly reliant on China. So, the question is how to mitigate the problem of SRMs having a lower power density. To increase the power density, we can use a mixture of permanent and non-permanent magnets together inside the SRM. At the same time, we need to keep the cost low, so cheaper magnets are required. I am currently researching ways to increase the power density of SRMs using neodymium alternative magnets. At the same time, we are searching for ways to apply variable magnet technology to control the magnetization level of the magnets. For example, when you climb a mountain in an EV, you need high power and high torque since the speed is low, so it would be advantageous to fully magnetize the magnets in this case. However, when you drive down a straight, flat road, it would be better to decrease the magnetization. This is because when you increase speed with the same level of magnetization, these magnets start disturbing the motor’s performance. On the other hand, when you go coast downhill, you may want to use the motor to generate electricity instead of allowing that kinetic energy to be lost as heat. So, the magnets can be fully magnetized again and, by using a dynamic braking system, the motor acts as a generator and to generate electricity. We may eventually succeed in combining all these functions with the motor, called permanent magnet assisted SRM or variable magnet SRM. Thus, we will be able to change the magnetization level based on road conditions to increase motor performance. As you know, the world is suffering from air pollution and CO2 emission because 60% of all electricity is still produced from fossil fuels. We need to increase the role of renewable energy in power generation before it is too late, so I am also interested in developing low-cost generators for wind energy conversion systems. Q:How do you hope to contribute to society? I would like to stay in Japan and work at KUAS for a long time. I would like to get involved in many projects to develop new technologies. No doubt, almost all vehicles will use “Smart Electric Motors” as their primary motivation in the future. Variable magnet technology will definitely contribute to this trend. Like the KUAS Faculty of Engineering’s slogan, “Be a street smart engineer”, I hope to apply “street smarts” to my motor research. I want to work together with research students to produce smart electric motors for new future technology. Smart motor technology will increase the efficiency as well as the range of electric vehicles, as they will adjust their performance depending on road conditions and overcome the limitations of current permanent magnet motor technology. Of course, we are already using electric motors every day, such as in our home appliances, robotics, and electric vehicles. But we still have a lot of work to do to develop new motor technologies. For example, we are about to enter the era of passenger drones. Designing the motors for passenger drones is one of my key research targets. These motors will need to be very powerful and lightweight so that load capacities can be increased. Increasing the role of electric vehicles in transportation systems will help to solve our environmental problems. Q:What advice do you have for KUAS students? I&＃8217;m very excited to meet my students and discuss motor technology with them. When I was in my hometown university and first read the news about hybrid cars, I was excited about what would come next. The most important thing for students is motivation, and being motivated is one step toward achieving your dreams. Having a lot of knowledge is valuable, but you don&＃8217;t need to know everything in detail. Instead, just focus on some specific targets and improve your skills in that field. This will save time if you work in a well-motivated team because you can just combine your abilities to create meaningful work. We are not living in the era of Leonardo da Vinci, where people were expected to know about many different fields. Instead, we are surrounded by a sea of knowledge, and we need to discover what information is useful for us. I want to invite my students to search for that information together with me to build a better future. Q:How do you spend your time off? I live with my family, and I have two kids. They are seven and nine years old and they are attending Elementary School here in Japan. I try to spare time for them on my weekends. I like cycling with them and playing soccer at our neighborhood park. During COVID-19, we have avoided going to crowded places. So, except for shopping and cycling, we prefer to stay at home. Of course, we still do a lot of refreshing outdoor activities. Recently, the most exciting thing for me has been gardening and growing some fresh vegetables since we have a big garden. Fuat KUCUK 講師フアット クチュク 工学部　機械電気システム工学科 博士（工学）。イスタンブール技術大学　電気工学専攻　教務助手、イスタンブール技術大学　電気工学専攻　助教、京都⼤学　⼤学院⼯学研究科　電気⼯学専攻 　外国⼈共同研究者、京都大学　大学院工学研究科　電気工学専攻　特定研究員を経て現職。専門分野は「電気機械工学」「パワーエレクトロニクス」「 再生可能エネルギー変換」「電気自動車」。担当科目は「モータ制御」「アクチュエータシステム」「パワーエレクトロニクス工学」等。 機械電気システム工学科のページへ 教員紹介ページへ 記事一覧へ トンガリ人材が世界を変える。--> --> アクセス お問い合わせ 採用情報 サイトマップ サイトポリシー 個人情報の取扱い 学校法人 永守学園 京都先端科学大学附属高等学校 京都先端科学大学附属中学校 京都先端科学大学附属みどりの丘幼稚園・みどりの丘保育園 Copyright © Kyoto University of Advanced Science. All Rights Reserved. TOP